<--庭から山椒の葉を取ってきて飾りました。
巻き寿司は色々なものを入れて、見た目がきれいなものが出来ますが、味は今一ということがよくあります。飾り巻き寿司はバラの花や桜の花できれいですが、デンブを寿司飯と混ぜて生姜の千切りで作るのでご飯がほとんどでたんぱく質が無く物足りない感じがします。味が美味しくて見た目のいいものをバランスよく巻き寿司にするのは難しいのですが、カリフォルニアロールは見た目もいいし、ボリュームがあって、キュウリとアボガドの野菜も入っていて美味しい巻き寿司です。
カリフォルニアロールの歴史を調べて見ると、下記の参照に表記したウェブサイト(1)(2)(3)(4)に詳しい歴史が載っていました。1970年代にカリフォルニアにオープンした日本食レストラン東京会館の寿司の板前真下一郎という人が、発明したそうです。そのころアメリカ人は生の魚を食べる習慣が無く、刺身を使った寿司は敬遠されていた上に、アメリカでは新鮮なトロが手に入らなかったそうです。地元にあった油分が多くてリッチなアボガドが油ののったトロの口当たり似ていること、蟹かまぼこのは魚の新鮮な香りを加えられることからこれらが寿司の材料に選らばれたようです。海苔(のり)の色、味と食感はアメリカ人には好まれなかったので、海苔を隠して中に巻いてご飯が外になった裏巻きにしてゴマを外につけて出来上がったのがカリフォルニアロールでした。その後、アボガドの香りが寿司にはきつすぎるので、それを中和するのにキュウリが加えられました。それからマヨネーズも加わったのが最新のカリフォルニアロールです。
カリフォルニアロールはトロを海苔でまいた鉄火巻きが元になっているようですが味も見かけも、まったく違うものになりました。日本の伝統的な寿司に、アメリカの食材を使用して現地の人の口に合うように変化させたカリフォルニアロールは、フュージョン寿司の先駆けでした。カリフォルニアまき寿司以前は寿司の材料は日本のものしか使用しなかったそうです。
スモークサーモン、クリームチーズ、とキュウリが裏巻きに巻いてあるシアトル巻き寿司もこのリッチな口当たりと魚の味を応用して出来たようです。(参照)
カリフォルニアロールを発明した人はどうなったのか興味深くて調べたところ、真下一郎さんはとても才能のあって腕のいい板前さんでアメリカの寿司の文化に貢献しましたが、私生活はあまり尊敬できるものではありませんでした。残念なことに、彼は犯罪を犯して刑務所で一生を終えました。
(参照)
(1)NY TIMES archive article,"Raw": http://events.nytimes.com/2007/06/10/books/review/McInerney-t.html
(2)SushiEncyclopedia: http://www.sushiencyclopedia.com/sushi_info/california_sushi_roll.html
(3) Wikipedia: http://en.wikipedia.org/wiki/California_roll
(4)SushiBar.com :http://www.thesushibar.com/ssushi_chipcolumn.shtml#California%20Roll
2009年5月14日木曜日
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3 件のコメント:
真下さんのことは詳しくわかりませんが、何かとても残念に感じます。しかし、あきらめないで、受け入れてもらえるように工夫をかさねたところは、どちらの食文化も大事にしていらっしゃったのではないかしら。
カリフォルニアロールは米国ではおなじみのメニューだと思いますが、スパゲッティのカルボナーラもイタリアの伝統食ではないそうです。
大戦後アメリカ兵が駐留したとき、卵とベーコンのようなお肉をイタリア人シェフにわたして、新たに考え出してもらったレシピだそうです。イタリアのスパゲッティはもっとさっぱりしていて、ボリュームのあるものではないということです。
食べ物には歴史がありますよね。だから文化なのでしょうね。
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
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