うちの息子の中学校(Washington Middle School ) のオークションの晩餐会で出される夕食の準備を手伝う PTAのボランティアをしました。
火曜日から木曜日まで St.Clouds(1)という下町レストラン(Neighborhood restaurant)で毎日4時間、 金曜日はオークションの晩餐会があるギリシャ正教会の St. Demetrious (2)で、 オークションの始まる前の2時間手伝いをしました。
私は、今まで一度もレストランの調理場で働いたことがないので、わくわくしながらお気に入りの日本包丁と新しく買ったまな板とエプロンを持ってSt.Cloudsに行きました。St. cloudsのオーナー、シェフで、中学生の父親のJohn Plattさんの指示で7~8人のPTAのボランティアに混じって、野菜の皮むき、ぶつ切り、みじん切り、材料を混ぜるたりという作業をしました。私は料理は好きなので、単純な作業とはいえ張り切って言われたことを喜んで、さっさとこなしました。
私が主に貢献した料理は、偶然にもブレッドプディングでした。ジョンPにこのブレッドプディングは、英国の料理ですかと尋ねたら、フランスのブレッドプディングということでした。フランス人はパンが好きで、食べ残りのフランスパンを使ってプディングを作るそうです。ブレッドプディングは英国の食べ物の記事で書いたので、英国料理ではないといえ、どんなものができるか楽しみでした。
最初の仕事はたまねぎの皮をむいで、たて半分に切ったあと横に1センチに切る作業でした。病気の老人宅を訪問する気さくな看護婦さんのジュディーと、おしゃべりをしながらあっという間にたくさんのたまねぎを、目に涙を流すことなく切り終えました。彼女によると、一人で玉葱を切ると涙が出るけど、他の人と話をしながらきると涙が出ない。と言っていましたが、本当でしょうか。私はソフトコンタクトレンズをしていたら涙は出ることなく玉葱は料理できますが...。次は、新鮮なタイムのみじん切りをしました。レストランの包丁を借りてやってみたら、この包丁のほうがみじん切りが早くできました。日本包丁は日本料理の薄切りや皮むきには適していますが、レストランの包丁の方がみじん切りには適していることを学びました。玉葱は、その間、オーブン用の大きい金属容器に溶かしたバターと油とともに入れられていました。この日の最後に割り当てられた仕事は、ゴム手袋をはめて、タイムやその他の調味料を玉葱と油と混ぜ合わせることでした。玉葱はオーブンで狐色になるまで、混ぜながら時間をかけて焼くということでした。他の人たちは、売るのには古くなったパンの固い外皮を切り落として、3センチ角位に切る仕事をしていました。このパンは、料理の世話役の人が、シアトルでおいしいパンで人気のあるEssential baking Co.(2)から無料でもらってきたとの事です。古いパンということですが、私が切り落として捨てるという外側を勿体ないので、食べてみましたが、とても香ばしくておいしかったです。
第二日目、玉葱はすでに狐色に焼きあがっていました。私の仕事はまず、切り終わったパンの半分を8つの大きな容器に分けて入れました。その間、他の人たちは洋ナシの芯を取って1センチ角に切る作業、生タイムのみじん切りをしていました。洋ナシと狐色の玉葱はスパイスと一緒にソテーにされて、大きなフライパンにいれられて私のところに来ました。それを、8つの容器に並べたパンの上に載せてから、残りのパンを上に載せました。台所の奥では2人が、卵と牛乳、生クリームと緑のチーズを量って混ぜる作業をしていましたが、終わり次第、私ともう一人のボランティアで、プロの料理人の女性と一緒に、このカスタードミックスをもう一度混ぜてから8つの容器に流し入れました。それから、私の仕事はカスタードが、しみ込んでパンが浮き上がらないように15分ごとに何回かパンを手のひらで押すというものでした。パンに卵液が完全にしみ込んでいないと、プディングがぱさぱさになっておいしくないそうです。
これでプディングは焼く前の準備完了です。この日の最後の仕事は塩漬けのグリーンオリーブのみじん切りでした。オリーブは丸くて転げるのでそのままみじん切りはできません。まず、一つ一つ輪切してから小さく切るのでとても手間がかかりました。ジョンPによると、もし彼がやる場合は、フードプロセッサを使用するけど、もう一人のオークションのボランティアシェフ、フランスレストランRover’s(3)のchef in the hat のThierryが手でみじん切りしたものでないとおいしくないし材料に使えないということで、私たちの仕事になったようです。これはタプナード(Tapenade)(4)というものの材料になるようでした。
St.Clouds での最後の日は、食器洗いで、使った容器、包丁、まな板やカップ等をブラシでこすってから熱湯でゆすいで、サニタイザーに入れて殺菌するという作業をしました。驚いたことにほとんどの食べ物のかすはゆすぐ過程で取ってしまって、サニタイザーのゆすぎは5分もかからずあっという間に洗い終わってしまいました。1時間くらいかかる、うちで使う皿洗い機を想像していたのでこの早さにはびっくりしました。だからレストランではまだ皿洗いの仕事があるのかと思いました。それから食器があまり数ないのは、皿洗いが10分でできるからあまり皿はいらないんだと納得しました。プディング作りの最後の仕事はオーブンで焼くことでした。食器洗いの合間に、2つの大きなオーブンの上段に2容器と下段に1容器の下準備の済んだプディングを熱したオーブンにれて、20分ごとに右から左、上から下へと回りに移動する作業をもう一人の女性としました。容器はとても重く、料理人は料理が上手なだけでなく力がなければならないようです。
これらがSt.Cloudsでやった仕事です。いろんな人と知り合って、いろんなことを話しながら働いて、時間があっという間に経ってしまいました。いつもPTAの世話役をしていて忙しいジェインを除いて、ほとんどの人は仕事を持っていて、休みを取って学校のために手伝っていたようです。夫婦で一緒に手伝っていた人もいました。
この次の日はオークション晩餐会、実際にSt.Demetrious に行って下準備を2時間手伝った後、ゲストとして夕食を食べました。
それについては次の記事で書きます。
(2)http://www.saintdemetrios.com/
(3) http://www.rovers-seattle.com/
(4)Tapenade(タプナード)はイタリア料理では普通黒いオリーブで作りますが、フランス料理店のシェフのThierryは緑のものを使っていました。日本語のウェブサイトにもレシピがありました。その中から2つを参照してください。
ぐるナビのしいたけのタプナード焼き
http://recipe.gnavi.co.jp/recipe/277.html
エル ア ターブルオンラインのミ・キュイ・トマトのプチピザにタプナードが使われています。
http://www.elleatable.jp/atable/cooking/recipe/detail.php?id=329&m=&cat=27
またビストロタプナードというレストランも日本にはあるようです。(http://www.mpchiba.com/tapenade/)